やっぱり妻への忖度

妻が妊娠したことをきっかけに、筆者と妻との距離が縮まりつつあるのは

既に書いたとおり

 

しかしそうは言っても、二人の間にはまだ隔たりはある。

まだまだ妻に気を遣っているのだ。

 

平日はできるだけ遅く帰るようにして、彼女にストレスをかけないようにしている。

(早く帰ると、ゆっくりテレビを観れない等色々ストレスがたまることがあるのだ)

彼女の言うことは大抵聞くようにしている。

(大抵、「やった方がいいこと」をやるように言ってくるので、従わざるを得ない)

 

この間も、我ながら情けないが、こんなことがあった。

 

職場では、月に一度有給休暇を取得することを推奨されている。

そこで、仕事のスケジュールを調整し、とある金曜日に休暇をとることにした。

 

土日と合わせて3連休。

最高ではないか。

昼からビールを飲んでやろうか。

 

そんなことを考えながら、妻に休暇のことを伝えた。

すると、

 

「えー、私もその日休もうと思ってたのに」

 

え。

えええ。

 

ちょっと待って。

どういうこと!?

君が休暇とるからなんなんだ!?

別に二人揃ってとってもいいじゃないか。

と、心の中で叫んだ。

(口に出せるわけがない)

 

推測するに、妻の心の内は、こうだ。

 

あなたが休むと、私が一人で過ごせる時間が少なくなるでしょ。

 

そう、つまり妻は、せっかくの有給休暇を筆者と一緒に過ごしたくないのである。

決して口には出さないが、暗黙の了解なのだ。

 

普通の夫婦であれば、そんな考え自体がおかしい、となる。

しかし、まだまだ内紛が続く我が家。

真っ向から彼女の意見を否定するのは得策ではない。

 

それを察した筆者。

 

すかさず、

 

「ああ、そうなんだ。じゃあ別の日にしようかな」

 

のんきな調子でこう言ったものの、筆者の頭の中ではCPUが高速処理をしている。

 

他の日に休暇など取れただろうか。

というか、せっかく休みをとるためにスケジュール調整をしたのに、

再調整を受け入れてもらえるだろうか。

 

そんなことを考えていると、妻からこんな一言が。

 

「いいよ。じゃあ私が、木曜に休むから」

 

筆者を気遣う言葉だ。

今までの関係ならこんな言葉は出てこなかったかもしれない。

これが二人の関係の進歩だ。

 

が、しかし。

そう言う妻の顔は冴えない。

 

そりゃそうだ。

金曜休むと3連休。

飛び石で休むより、そっちの方がいいに決まっている。

 

今まで妻の地雷をいくつも踏んできた筆者。

この手の提案に飛びついて良かったことなど何もない。

結局、筆者が利益を得、自分が損したことを根に持つことになる。

 

これは戦略である。

 

金曜の休暇は妻に譲って、家庭の平穏を保つ。

負けるが勝ち、の考え方である。

 

「いや、金曜休んでいいよ。俺は他の日に休むから」

 

こうして、夫婦間で起こった緊張は、平和裡に解決された。

 

 

さて、今回の休暇。

筆者がその月の残りで取れる日は、その金曜だけであった。

月一休暇は、職場を挙げての取り組み。

そして、スケジュール調整して休むと宣言をした手前、

今更の取りやめは後ろめたい。

 

仕方なく、休暇はとった。

ただし妻に気づかれてはならないので、朝普通の時間に起き、

仕事着に着替えていつもの時間に家を出る。

 

そして、カフェや本屋などで過ごしたのである。

 

筆者の心の内を、一体どれくらいの人が察してくれるだろうか。

 

これが男の生き方なのだろうか、と思う今日この頃。

 

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