子供が生まれてきてくれて、本当に良かったと思っている。
その理由の一つは、筆者自身が救われているからだ。
子育ては大変だ。
生まれる前に余暇として過ごしてきた時間の大部分が、子供のための時間に変わる。
筆者自身、もう何年も趣味のゴルフはしていないし、食事も子供に合わせるから好きなものも食べられない。
子供に合わせた生活時間になるから、夜更かしもできないし朝は早い。
多くのことを子供に捧げる生活になる。
子供にはめいいっぱいの愛情を注いでやらなければならない。
そうでないと、子供は泣き止まない。
常に愛情で満たしてやらないといけない。
こちらから与えるばかりで、向こうが特に何かをしてくれるわけではない。
だが、ある時ふと気づく。
愛情を注ぐ自分の心、仕事で疲れ果てた心が、癒されていくことに。
どんなに仕事で嫌なことがあっても、子供の笑顔を見れば救われる。
活力が湧いてくるのだ。
もしかしたら、ペットを飼うのに似ているのかもしれない。
ペットのおかげで飼い主の心が元気になる。そういうことを聞いたことがある。
しかし、決定的に違うのは、責任感だ。
飼い犬や飼い猫を見て、この子のために頑張らないと、とはあまり思わないだろう。
だが子供に対しては、そこまで思う。
辛くても、心が奮い立つ。立ち向かおうと思わせてくれる。
そうやって萎えた心にまた活力が戻る。
生きる力を与えてくれるのだ。
寝顔を見て、生まれてきてくれてありがとう、と感謝の念が芽生える。
子供がいるだけで、そう思えるのだ。
本当に特別な存在だな、と思う。