ガレット2丁ペロリ

もう何年も前。

まだ結婚する前の妻と長野に旅行に行った時にガレットを食べた。

それがとても美味しく、以来、ガレットにはまってしまった筆者。

 

しかし、ガレットを出す店は少ない。

 

特に筆者のような田舎に住んでいると、そういった店は周りに皆無である。

しかし、この間たまたま入った近くのカフェでガレットに遭遇したのである。

メニューを見た途端、テンションが上がりまくりの筆者。

 

二種類のガレットがあった。

 

一つは卵とベーコンのトマトソースのガレット。

もう一つは、スモークサーモンとモッツァレラのガレット。

 

散々悩んだ挙句、卵とベーコンの方をチョイス。

 

先に来たコーヒーを楽しみながら待っていると、店員がやってきた。

待ってました!

と思って皿の中を覗き込むと、スモークサーモンとモッツァレラのガレットが。

 

ん?

 

注文したシーンを振り返ってみる。

確かに、卵とベーコンと言ったし、店員さんもそう繰り返した。

 

妙だなと思い、店員に言おうかと思ったが、しかしここで何も言えないのが小心者の筆者。

スモークサーモンも美味しそう、とかなんとか理由をつけて、出されたものを食べることに。

 

食べると、確かに美味しい。

しかし、なんかモヤモヤする。

卵とベーコンの方が美味しかったかもなぁ。

 

そんなことを考えつつ、何も言えなかった自分に多少の失望感を抱きながら食べていると、店員がやってきた。

 

「あの、注文を間違えてしまいまいた。大変失礼しました」

 

あ、はあ。

やっぱりね、と思いつつ、大丈夫ですよ、と大人の対応をする筆者。

 

「実は、卵とベーコンのガレットももう作ってしまってまして、もしよろしければお出ししてもよいでしょうか。もちろん、残していただいて構いませんので」

 

意外な展開に、ちょっと戸惑う筆者。

隣の席の女子高生二人組も、こちらにちらりと視線を送り、成り行きを見守っている。

 

しかし断る理由もないので、いいですよ、とジェントルに応じる筆者。

 

この判断は間違っていまい。

誰も悲しまない判断のはず。

 

そして、スモークサーモンのガレットを美味しく平らげてすぐ、その頃合いを見計らったかのように、卵とベーコンのガレットがやってきた。

 

しかしこの時点で腹7分くらいまできていた筆者。

 

残してもいいと言われても、それは後ろめたさが残る。

 

ということで、こちらも美味しくいただいた。

意外と重くなく、ものの5分くらいで完食したのだが、隣で筆者の食べっぷりに女子高生がなにやらクスクスと笑っている。

 

気にしない気にしない。

と強がってみたものの、かなりお腹がいっぱいになって、若干苦しくなった筆者。

 

こういうとき、どういう対応を取るのがベストなのだろうか。

 

少なくとも、店員は全部完食したことを喜んでいたようなので、よしとするしかない。

 

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