モチベーションを維持するために

人間なら誰しも一度は、一念発起して新しいことに挑戦してみたり、目標を立ててそれに向かって頑張ってみたことがあるであろう。

ダイエットやジョギング、英会話等が頑張る対象として挙げられる。

しかし、これも多くの人が経験しているように、最初の数日は頑張るものの、しばらくすると途切れ途切れになり、やがて完全に止めてしまうことが多い。

その結果、始めた時に買ったダイエットグッズやジョギングシューズ、英会話のテキストが虚しく残ってしまう。

 

考えてみると、不思議な話である。

多くの場合、始めた時と止めた時で価値観が変わったわけではない。
つまり、止めてしまった時も、本当は続けた方がいいと思っているのである。

それなのに、しばらくすると「もういい」と思ってしまう。

それが人間の性である。

場合によっては、数年後、また一念発起して同じことを始める場合もある。

今度こそはと思い、気合を入れるために再び必要なものを買い直す。

しかし、結局はまた同じことを繰り返すのである。

悲しい性である。

いわゆる、モチベーションが続かない、というやつである。

 

しかし、なぜモチベーションが続かないのであろうか。

これを解くには、「モチベーション=一種の興奮状態」と考えると分かりやすい。

何かを始める時、その理由としては、例えば以下のようなものが挙げられる。

「簡単なダイエット法が紹介されているのを見て、これなら自分もできると思った。」
「毎朝15分ジョギングをすると、仕事の効率が劇的に上がる研究結果が出た。常日頃、仕事の効率を上げたいと思っていた。」
「憧れているタレントが、英語をペラペラと使いこなしていて、自分もああなりたいと思った。」

こんな理由で、人は何か新しいことをやってみようと思う。

その時、彼らは将来の自分を想像し、その輝かしい未来を夢見て興奮状態にある。

痩せて綺麗になったら、好きな人が振り向いてくれるかも。
仕事の効率を上げたら、アフターファイブが充実するな。
英語を話せるようになったら、海外旅行が楽しくなるわ。

しかし、興奮は得てして冷めてしまうものである。
沸騰したお湯が、時間が経つと冷めてしまうのと同様である。

興奮から覚めると、モチベーションが低くなる。
すぐにまた興奮できればいいが、そうはいかない。

本来の目的は、最早それほど魅力的ではなくなってしまい、どうでもよくなってしまうのである。

 

では、どうすればモチベーションを高く保てるか。

答えは簡単である。

定期的に刺激やショックを与えて、自分自身を興奮させてやればよい。
もう一度、やかんを火にかけてやるのである。

最も手頃なのは、同じ目的を持った仲間を巻き込むことである。

彼らと目標達成状況を共有することで、それが刺激になるし、友人が頑張っていれば、それがモチベーションの向上に繋がる。

しかしこれは万能ではない。
友人が諦めてしまうと、途端に自分のモチベーションも低下してしまう。

辛抱強い友人と始めるのが望ましい。

 

一方で、モチベーション維持に最も効果があるのは、自分を窮地に追い込むことや、打ちひしがれることである。

好きな人にデブと言われた。
運動不足が祟って、病気になる恐れがある。
社内公用語が英語になった。

こんなものが挙げられる。

上記のような状況であれば、なかなかモチベーションは下がらないであろう。
現状を打破しようと懸命にもがくはずである。

ただし、上記のような状況は偶発的に発生するものであり、自分でコントロールできない。

しかし、もし発生したとしたら、チャンスである。
起こった当初は、現実に眩暈がするかもしれないが、自分を変えるチャンスに他ならない。

 

「ピンチはチャンス」という言葉があるが、これは的を射ている。

ハプニング、辛い経験、逆境は、人を良い方向へ変える絶好の機会である。

そう考えると、人生が少し楽しくならないだろうか。

 

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