欲望のない世界

理想的な世界とは何か、と時々考える。

諸悪の元凶は人間の「欲」だという考えがある。

 

戦争、殺人、腐敗政治、いじめ・差別。

すべて元をたどれば「欲」が原因ではないか。

 

あの領土が欲しい。

あいつさえいなくなれば。

もっと金が欲しい。

うさ晴らしをしたい。

自分の障害となる奴はいなくなって欲しい。

 

といった具合に。

人間は特に、様々な欲望を持っている。

食欲や性欲などの生理的欲求以外に、金銭欲や自己顕示欲、支配欲などの欲求もある。

一つ言えるのは、欲望が多いほど、それにまつわる不幸も増える、ということだ。

 

じゃあ欲望をなくせばよいのか。

そういう単純な話でもない。

そもそも高度な欲求がなければ、人間社会はここまで発展してこなかっただろう。

 

悪い例として出した、支配欲が強かったからこそ、他の動物を圧倒するような発展を遂げることができた。

楽をしたい、生産性を高めたいという欲求があったからこそ、農耕革命や産業革命が起こった。

 

欲望は諸刃の剣だ。

良い結果をもたらすエネルギーになる一方、その反動もある。

発展を望む限り、その反動とはうまく付き合うしかない。

 

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