いい歳した大人の寝坊ほど恥ずかしいものはない。
しかも、自己管理ができずに起こった寝坊。
これは大人として恥ずかしい。
あまりにも恥ずかしいから、寝坊の原因を誰かのせいにしたくなるのも無理はない。
そう。たとえ自分が100パーセント悪いと思っていても・・・
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つい先日の話だ。
数年ぶりに仲の良い友人と遠出をした。
子供が生まれてからは家庭に注力していたので、本当に久しぶりだった。
子供の成長と共に妻にも少しずつ余裕がでてきた。
なので、妻に子供を任せて自分だけの予定を入れた。
子供が生まれてから初めてのことだ。
しかしよりによってその前日。
とあるイベントがあった。
そのイベントに妨害されて、夜寝るのが遅くなったのだ。
朝5時半に起きなければならないのに、寝たのは1時前。
結果、寝過ごした。
起きたのは7時。
その時点で家を出発する時間が40分も過ぎていた。
その日は筆者が車を運転し、友人をピックアップすることになっていた。
起きたときの絶望感。
カーテンの隙間から入り込む光のまぶしさ。
それに気づいた瞬間、全てを悟り、友人に電話をする。
いい加減な言い訳はしない。
真実を語り、これから家を出ることを伝える。
「寝坊をした。いまから出発する。40分ほど到着が遅れる」
謝罪の言葉も添えて。
そして、車の中で必死に考える。
どうして寝坊したのか。
それをどう説明しようか。
そう、仕事が忙しかったからだ。
夜遅くまで資料作りをしていた。
それを言い訳にしよう。
しかし真実は違う。
読者のみなさんには真実を赤裸々にお伝えしよう。
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確かに、前日は22時まで仕事をしていた。
遅かったのは確かだ。そこは真実。
しかし、その後すぐに寝ていれば寝坊などしなかった。
すぐに寝ずに、こともあろうに漫画を読んでいたのだ。
その日発売された、HUNTER×HUNTERの最新刊を。
完全に見誤った。
読むのにかかる時間を。
HUNTER×HUNTERは、4年ぶりの新刊だった。
以前の話などうる覚えだ。
話の流れを思い出しながら読むから、遅々として進まない。
それに話も難解。
いたずらに時間だけが過ぎていく。
読み終えて寝るつもりだったのに、半分も行かずに諦めた。
その時、すでに0時を回っていた。
それから風呂と洗濯をして就寝。
1時を過ぎての就寝。
結果、寝過ごすことに。
この顛末、やはり筆者が100パーセント悪いのだろうか。
いや、そうとは言い切れない。
(というか、そうは言いたくない)
HUNTER×HUNTERの作者、冨樫氏にも幾分かの非はないだろうか、と言ってみる。
そう言いたくなるくらい、最新刊は異常だった。
もともと難解なストーリーだが、特に最新刊は文字の量が半端なかった。
既刊のものに比べて難解さが飛び抜けていた。
わざと難しくしているのではない、と疑うくらいだ。
実際、ネットを見ていると途中で挫折する人も続出したようだ。
内容の濃さに、作者の面白くしようという気概は感じたが、いかんせん難解過ぎた。
少年コミックスの域をはるかに超えている。
つまりまとめるとこうだ。
筆者の寝坊の原因。
その数パーセントは冨樫氏にある。
だから、全くもって筆者が悪いわけではないはずだ。
そして、もう一つ言えることがある。
いい歳をした大人の寝坊は、100パーセント自己責任となると、心の平静が保てない。
自己嫌悪に陥る。
だから、少しは誰かのせいにしたほうがいい。
※このエッセイに関する苦情は一切受け付けておりません。