先日読んだ本が素晴らしかった。
『GIVE & TAKE』
アダム・グラント著
ざっくりと内容を伝えると、世の中の人間は、他人の利益を優先させるギバー、
自分の利益を優先させるテイカー、
他人の利益と自分の利益とのバランスをとるマッチャーに分類されるが、
成功も幸せも掴むのはギバーだから、みんなギバーになろうというものである。
他人の利益を優先するギバーは、一見損してばかりのように思える。
しかし自分を犠牲にするのではなく、自分を大事にしつつ他者志向で行動すれば、
周囲の信頼を得られるため、いい仕事が舞い込んで仕事で成功する。
また人の役に立っているので精神的にも充実する。
こんな簡素な紹介だと、他人の利益を優先させる効果が
眉唾ものに見えるかもしれないが、本書の中では数々の実例を挙げて、
ギバーの利点を挙げている。
筆者も腹落ちする内容であったので、詳細は本書に譲りたい。
とにかく、素晴らしい内容であった。
地球上の誰もがギバーになれば、皆どれほど幸せになることだろうか。
できることなら筆者もギバーになりたい。
自己分析すると、筆者はマッチャーである。
少なくとも、他人を蹴落としてまで儲けたいとか地位を得たいとかは思わない。
また誰かの役に立ちたいという思いはある一方で、
何かしてあげた人から何の見返りもなければガッカリするし、
与えるだけだと損した気分になる。
典型的なマッチャーである。
マッチャーであるのは、妻に対しても同じだ。
家具を組み立ててほしい。
風呂とトイレの掃除をしてほしい。
休みの日でも早く起きてほしい。
車はいつも綺麗にしておいてほしい。
妻が筆者に求めることは沢山ある。
筆者は妻を喜ばせようと頑張って要求に応える。
しかし、妻に感謝されることはほとんどなく、
お願いされたことをし忘れるとひどく怒られる。
さらには、妻が思いやりに欠ける行動をした場合、
筆者は口には出さないが心の中ではイライラしている。
とにかく心が疲れる。
しかし、ギバーになれば、人に何かを与えられることを期待しないのだから、
こんなイライラから解放される。
そして、人に頼まれたからやるのではなく、主体的に与えるのであるから、
前向きな気持ちになるだろう。
いきなり世の中全ての人に対してギバーになるのは、急には難しいかもしれない。
まずは手始めに身近な人に対してギバーになろう。
本書の中にも書かれていたことだが、
集団の中にギバーがいるとその輪が広がるらしい。
ギバーは周囲の人間も幸せにするのだ。