セルフブランディング。
最近ネット上でよく見る言葉である。
書店でもこの言葉が取り上げられた雑誌をよく見る。
セルフブランディングとは、要するに、ネット上で自分自身の能力や肩書き、趣味嗜好、体験をアピールし、特定の分野での専門性を認知してもらい、その業界での地位確立を目指す行為を言う。
自分で事業を起こすことが身近になりつつある今、顧客を得るためにセルフブランディングは欠かせない。
取った資格や、セミナー開催の回数、事業での実績を自身のSNSで公開し、また自身の経験を公開して、その分野で信用を得る。
これがセルフブランディングのスタンダードな形である。
そしてその延長線上で、もし個人がテレビや雑誌などで取り上げられれば、一層ブランド力は強固になる。
今や世界中の誰もが、ネットを介して自分の意見や考えを発することができる時代。
セルフブランディングは、ネットの発展なくしては存在しえない言葉であろう。
今までは、個人を商品とするなんて、メディアに携わる人にしか関係なかった。
それが今や、うまくやれば誰でも、その道で有名になり、稼ぐことができる。
自身を商品化するのは、当たれば大きい。
講演や本の出版で一山もうけることも夢ではない。
しかしリスクも伴う。
例えば、もし何かの不祥事を起こした場合、自身の商品価値は地に堕ちるだろう。
タレントが不貞をはたらき、一気に仕事がなくなってしまうのが分かりやすい例である。
それ以外にも、公の場での態度や言動から、イメージが悪くなることもある。
セルフブランディングとは、ある種のイメージ戦略である。
どんな情報もネットで共有され得る現代では、有名になればなるほど、バッシングを浴びる可能性も高くなる。
だから、イメージダウンしないよう周りに気を遣う必要がある。
AIに仕事を取られる将来、自身を商品にして稼ぐ人は多くなるだろう。
人を喜ばせたり、楽しませる仕事が今後のスタンダードになる。
それには広義のエンターテイナーとして、自分を売り出す必要があるのだ。
未来の我々は、今以上に言動や行動、見た目に気を使わなければならなくなる。
一見、お互いを思い合える輝かしい未来に見えるかもしれない。
しかしその実、人々は周りの目に疲弊し、ネットから距離を置くようになる人も多くなるだろう。