おねだりの上手な断り方

既婚の男性ならば、妻から何かを買って欲しいとおねだりされたことがあるだろう。

既婚でなくとも、交際中の女性にねだられたというのは、よくあることだ。

もし、ねだられた物が不要なものなら、もちろん断るだろう。

相手が男性の言うことをよく聞く素直な女性であれば、断ってもそれほど揉めることはない。

だめ、とか、要らないじゃん、とか言っておけば良いのだ。

難しいのは、女性側が力関係の上位にある場合である。

無下に断ると、波風が立つ。

冷たいと言って不貞腐れるくらいならまだ可愛いものだが、後々のシコリになると大変である。

かと言って、ハイハイと買うわけにもいかない。

高い物やあまり有用ではない物にお金を費やしたくないのは当然である。

そんな物を買うなら、晩酌数日分をプレモルにグレードアップした方が良い。
断然そっちの方が良い。ほんとに。

 

高額だったり、明らかに不要な物、断る理由がはっきりしている物だと、まだ断りやすい。

貯金の必要があることや、代替のものがあることを、それとなく言えば大概の場合は諦めてくれる。

 

先日妻に犬か猫を飼いたいと言われた時は無事断ることができた。

「もし子供ができて、その子が犬や猫アレルギーを持っていたらどうするの?」

こう言ったところ、納得してくれた。
うまくかわした好例である。

 

一番難しいのは、それほど高額でなく、そこそこ有用なものをねだられた場合である。

こちらの反論も自然と弱くなる。

少し前、新聞の購読をねだられた。

ネットニュース全盛の今、新聞の必要性など微塵も感じない筆者。

それに対して、彼女が主張はこうである。

新聞にはニュースだけじゃなくて、広告や地域のイベント情報も載っている。
私はそれが読みたいの。

すなわち、大半は読まないのである。

購読料は月約4千円。
安くはないが、手が出ないわけでもない。
全くの無駄というわけでもない。
地域のイベント情報が役に立つ場合もあるだろう。

最初言われた時は、うーんそうだね、と言って流した。

しかし数日後、またおねだりである。
やんわり抵抗してみたものの、彼女も引く気配がない。

結局、購読するよと言ってしまった。

 

読者の中には、「勿体ない」と言って断ればいい、と主張する方もおられるであろう。

しかし筆者の妻の場合、真っ向からの否定は逆効果である。

ヒートアップして、欲しいという思いが余計に強くなる。

それに、断ったことを根に持ってしまうと、別の物をねだられた時に断るハードルが上がる。

何度も断ると、

「あなたは私の欲しいものを一つも買ってくれない!!」

こんな具合に非難(全否定)されて、関係が悪化しかねない。

比較的安価な物を買うことで、こちらの誠実さをアピールすることも戦略である。

 

ちなみに新聞の件は、買うと言ってから二週間たった今もまだ購読していない。

朝夕セット販売がデフォルトなんだよねとか、朝刊だけとる方法を探してるとか、適当なことを言ってかわし、彼女の新聞熱が下がるのを待っているところである。

牛歩戦術がどれくらい効果があるかはわからない。

そのうち彼女が痺れを切らして怒り出すかもしれないが、「とりあえず寝かしてみる」のも戦略の一つである。

 

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