どうして責められようか

社会的に成功した人が、プライベートを暴露されて叩かれる。

歌舞伎役者の性加害、スポーツ選手の女性問題。

そんなニュースが後をたたない。

連日テレビやネットで報じられ、その醜聞に、ファンは失望し離れていく。

そんな人だとは思わなかった、と。

心ない声が向けられ、その人は大きな社会的ダメージを負う。

一体、生まれたときからそのような醜態を晒す人間だったのだろうか。

きっとそうではない。

生まれながらの悪人などいない。

じゃあ何が彼ら・彼女をそんなひどい人間に変えたのか?

答えはひとつだけだ。

環境

これに尽きる。

環境が人を変えるのだ。

ニュースに嫌悪感を抱く人は、ここで少し立ち止まって考えて欲しい。

もしあなたがその人と同じ環境に置かれた場合、今のままでいられるか?

たとえば、あなたがスポーツ選手だったとする。

若い頃から名門チームの中心選手として活躍し、高い給料をもらっている。

ルックスはよく、女性ファンも多い。

あなたと親しくなりたいという女性は後を絶たない。

それだけなら、まだ自制はできるかもしれない。

ある程度自制心の強い人なら舞い上がらずにいられるだろう。

加えて、あなたが精神的なストレスを多く抱えていたとしたらどうだろう?

スポーツ選手だから、結果が伴わなければすぐにクビだ。

将来への不安と戦いながら、日々練習に励んでいる。

少しでも成績が落ちようものなら、心ない声が向けられる。

人気スポーツだから、メディアやファンにも常に見られている。

その対応も苦痛が伴う。

そして言動の一言一句、振る舞いの全てが取り上げられ、ニュースやSNS上で流れる。

かなりストレスフルな生活だ。

精神的にタフだったとしても、それが積み重なると、どこかで普通ではいられなくなってもおかしくない。

精神がかなり強くないと、心の安寧は保てないだろう。

ストレスから逃れて精神崩壊を防ぐために、自分の欲望を満たす道に走ってしまったとしても不思議ではない。

叩くことが、本人の更生につながる、という意見もある。

だが、本当にそれが目的で攻撃している人が何人いるか?

更生させたいなら、それ以外にも方法はある。

攻撃したい理由を作り出しているとしか思えない。

どうして簡単に、会ったこともない他人を攻撃することができようか。

 

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