ストレイ・シープ

仕事でうまくいっていないとき、いつも思うことがある。

辞めたら、楽になれるのかな、と。

仕事には向き、不向きがある。

今の仕事は、自分に向いているとは思わない。

気苦労が多く、本当に毎日つまらないのだ。

やりたい仕事は別にある。

それは作家だが、プロの舞台にも立てていないから、今の仕事をしている。

家族を養わなければならないから。

今の仕事を何度辞めたいと思ったかわからない。

しかし、その度に思いとどまり、自分の実力がないからだ、もっと仕事に打ち込もうと自分を鼓舞してきた。

だが、やはり気持ちの下降期は、定期的にやってくる。

それは、勤め人の性だろう。

給料をもらっている以上、意にそぐわない仕事をするのは仕方ない。

人が嫌がること、他人ができないことをするからお金がもらえるのだ。

だから、どんなに成功している人だって、仕事が嫌になることはあるのではないか、と思う。

夢が叶って作家になったとしても、物を書くことが嫌になることもあるのではないか、と。

どうして作家になりたいのかというと、サラリーマンには、筆者の苦手とするものがある。

それは、人間関係だ。

特に、メンタルの弱い人や気にしすぎる人と一緒にいると気疲れする。

そういう人には特別気を遣う必要があるから、こちらのメンタルも疲弊してしまうのだ。

明るい人ばかりならいいのだが。

作家になれば、周りの人のことなんてあまり気にしなくて良い。

人間関係といえば、編集者くらいなのだろう。

だから、作家で食べていければこんなに嬉しいことはない。

毎日、自分でコツコツと文章を書けばいいのだから。

物語を想像するのも楽しい。

コツコツと書いていくうちに、だんだんと自分が書いているものが、どういう作品なのか段々分かっていく過程も。

今の仕事がつまらない。そして夢も叶えられていない。

こういう状況下で、筆者の心はただただ彷徨っている。

彷徨える羊なのだ。

 

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