以前にも触れたことがあったが、筆者は痩せている。
身長181cmに対して、体重は60kg台前半。
時には60kgを切ることもある。
そして筆者は、太りにくい体質でもある。
三十代も半ば。周りの同世代はどんどん恰幅がよくなっている。
しかしその一方、筆者はなかなか太らない。
頑張ると、なんとか63kg台には到達する。
しかし喜びのあまり、そこで気を抜いてしまい、すぐに体重が減ってしまう。
所謂、「64kgの壁」があったのである。
体重が増えにくいのは昔から。
子供の頃、よく母から
「あんたは食べさせ甲斐がないわ」
と言われた。
そして今、妻には、
「細すぎて弱々しく見える」
と言われる始末。
父親には、
「心配するな。年をとれば嫌でも太る。」
と何度も慰められたが、お腹周りを気にする同世代との体重差はますます大きくなり、一緒に歩くとみすぼらしく見える。
そんな筆者だったのだが、ついに昨年末から体重に変化が訪れた。
体重が、64kgの壁を突破し、なんと66kgに到達したのである。
きっかけは、昨年末に義母と義兄家族と一緒に行った那須への小旅行であった。
一泊だったのだが、宿泊したホテルの夕食・朝食はバイキング形式だった。
種類が豊富で、目の前で調理をしてくれたりと美味しかった。
貧乏性の筆者。そのときは、ここぞとばかり食べたいものは食べようと頑張った。
しかし、それだけではそこまで太らない。さらなる要因があった。
それは妻からのプレシャーだった。
義兄の奥様の両親も一緒に来ていたのだが、このご夫妻がよく食べる人たちだった。二人とも七十歳を過ぎているのであるが、山盛りのプレートを何皿もペロリと食べた上に、アイスクリームの山にも手を出すような人たち。
そんなご夫婦に刺激を受けたのか、妻が「負けないで」とプレッシャーをかけてきたのである。
これはもう食べるしかないではないか。
感覚的に腹十五分目くらいまで食べた気がする。
もともと食は細くないが、我ながらよく食べた思う。
そしてそれが、夕食・朝食と二食続いたのである。
旅行から帰ってきて体重を測ると64kgを突破していた。
初の64kg突破に感動である。
やればできるじゃん、俺。
調子に乗って、旅行以降も食べまくり、とうとう66kgまで到達したのである。
頬がふっくらしたせいで、貧相に見える頬の影がなくなった。
血色もよくなった気がする。
ズボンのお腹周りもきつくなってきた。
嬉しい悩みである。
このまま目標の70kg台を目指すか!
そう息巻いていた筆者。
しかしここで一つ問題が発生した。
起こった問題。
それは
屁が止まらない
のである。
食べ物を消化する際にたくさんのガスが発生しているのはわかる。
しかし、屁の頻度が半端ない。
職場でお腹が膨れてきて席を立つ。
トイレの個室にこもり、ガスをしっかり出す。
やれやれと思い、自席に戻る。
座った途端、また腹が膨れてくるのである。
仕方なく、また席を立つ。
しかし、またトイレになんて行ってられない。
そこで、歩きながら屁を出す。
歩を進めるために足を前に出す。そうすると尻の穴が少し広がる。
そこで出すのである。
もちろん、周りに人がいないことを十分に確認して。
しかしそれでも追いつかない。
席に戻ると、また催すのである。
しまいには、周りに人がいなかったら、そこで放屁してしまっている始末。
意外と匂いは気にならない。
たくさんのガスのせいで匂いが薄まっているのではないだろうか。
(そんなことあるのだろうか。)
いや、いけないことだとはわかっている。
自席でプープー放屁するなんて社会人として最低である。
この行為が周りの女子にバレたら、きっともう口を聞いてもらえないであろう。
妻に知られたら、蔑んだ目で見られることは間違いない。
しかし、そうでもしないと仕事にならないのである。
だからといって、このまま屁の乱発を繰り返していていいのか。
そんな葛藤を経て、筆者は一つの結論にたどり着いた。
食べるのはそこそこにしよう。
そう決意して一週間。
順調に体重は落ちてきている。
今64kg台まできた。
嗚呼、減る速度の早いことよ。
体重増加の別の策に頭を悩ませる今日この頃である。