2019年1月公開の映画「マスカレード・ホテル」を観てきた。
普段はあまり邦画を観ない筆者。
久しぶりに映画を観たいなと思ったその日も、当初は「マスカレード・ホテル」は観るつもりではなかった。
ディズニーアニメが好きなので「シュガーラッシュ・オンライン」を観たかったのだが、当日鑑賞を思い立ったため、近くの映画館では都合のいい時間での上映はなし。
「ボヘミアン・ラプソディ」は二回観たのでさすがになし。
そこで、公開直後で話題となっていた「マスカレード・ホテル」をチョイス。
一時期東野圭吾の小説にどハマりした筆者。
この作品は読んでいないが、東野氏原作だから、がっかりすることはないだろう。
そんな具合に、かなりハードルを低くして観に行ったわけである。
結果から言うと、面白かった。
さすが東野圭吾。設定が良い。
ホテルで発生する(と見込まれる)殺人を防ぐために、木村拓哉演じる刑事がホテルのフロントマンに扮し、長澤まさみ演じる指導役のフロントマンとコンビを組む。
お互いいがみ合いながら、しかし最終的には助け合いながら事件を解決に導く。
大まかなストーリーはこんな感じなのだが、客に対して、常に疑いの目を向ける刑事と、どんなときも信じようとするホテルマンの”考え方”の違いが物語の良いアクセントになってる。
考え方の違う二人がコンビを組み、物語の進行とともに理解を深め、良いコンビになっていくというのは、王道のストーリーである。
この映画でもそのストーリー構成になっていたが、ベクトルの全く異なる職業にコンビを組ませることで、より面白さが増していたように思う。
一方が正しい、間違っているというのではなく、刑事とホテルマン、お互い確固たる正義があって、それぞれがプロに徹して行動するからぶつかったときに高い熱が発生する。
そこがうまく描けていた作品であった。
また、登場人物が多く、いずれも豪華であることも魅力の一つだろう。
木村拓哉の演技は好き嫌いが別れるだろうが、長澤まさみが演じる真っ直ぐな女性は魅力がある。
また小日向文世、渡部篤郎も癖があってよい。
ホテルで起こる数々のハプニングの多くも、ホテルに十分取材して練られているなと感じるものばかりであった。
個人的には、事件の解決よりも、その都度発生するショートエピソードの方が楽しめた。
短編集的な楽しみ方である。
総じて、邦画だからと敬遠している人にもお勧めできる良作であった。
それにしても、この映画を観て思ったのは、ホテルマンってつくづく大変だなということであった。
ストレス耐性が高く、またよほど好きではないと続けられない職業である。