女装する人の心理

人には趣味嗜好というものがある。

野球やサッカーのようなスポーツに汗を流すのが好きな人もいれば、音楽や鉄道、

はたまた、ドラマ、アニメ、アイドルなどが好きな人もいる。

 

趣味嗜好は人それぞれだが、最近は趣味が昔よりも多様化していると感じる。

コスプレや同性愛を扱った漫画や小説。

昔からあったのかもしれないが、ここまで大衆化したのは最近だろう。

しかし、この趣味嗜好、最近は結構変な方向に向かっている。

そう思えるような出来事に最近出くわした。

 

平日の朝、通勤電車に乗っているときのことである。

眠い目を擦りながら電車に乗り、カバンを荷物置きに乗せて

いつものようにスマホを取り出したところで違和感を感じた。

 

視界の隅に見慣れないものが映っている。

 

そちらの方に目をやると、やけにガタイのいい女性が座っている。

青いスカートから覗く太ももは筋肉質で、すね毛もボーボー。

ヒールがやけに窮屈に見える。

そして長い髪が掛かる肩はやけにゴツゴツしている。

 

いやいや、見まごうなかれ。

その人は女性の格好をしたオッサンだった。

齢は50前後だろうか。

もうゴリゴリのオッサンである。

 

オッサンであるということに気づいた瞬間、

なぜだか筆者は急いで目を逸らしてしまった。

見てはいけないものを見たような感覚に襲われたのである。

周りを見渡すと、そのオッサンに目を向けている人は誰もいない。

車内で一際異様な雰囲気を放っているオッサンなのに。

 

皆、見て見ぬふりをしているのである。

 

一体、このオッサンはなぜ女装をして電車に乗っているのか。

さっぱりわからない。

 

一応、断っておくが、そのオッサンの趣味を否定するわけではない。

確かに理解できない部分が多いが、

女装することでそのオッサンの気持ちが晴れるのであればそれで良い。

 

しかし、そのオッサンについて一つ気になることがあった。

それは、オッサンがマスクと帽子をしていたことである。

 

めっちゃ一目気にしてるやん。

めちゃくちゃ目立ってるくせに。

 

女装したい、でも目立ちたくない。

 

それがオッサンの本心なのだろうか。

あの人はそんな葛藤と戦っていたのだろうか。

だとしたら、そのオッサンに一言言いたい。

 

いやいやいやいや、無理だから。

目立ちまくってるから。

せめてすね毛剃ろうよ、ねえ。

いや、もしかしたらこういう解釈もできないだろうか。

 

筆者が見たのは、初めて女装をした人だった。

 

つまり発展途上の人だったわけである。

そうだとすると、数ヶ月後、また見かけたときは、

そのオッサンは、立派な一人の女性になっているのかもしれない。

通り過ぎる人が違和感を感じなくなるような女性に。

 

 

・・・多分無理だろう。

骨の太さを隠すことはできないから。

 

女装にも向き不向きがあるんだなと気づいた一件だった。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。