家を造るなら

家は、人生で一番高い買い物と言われている。

マイホームは人々の憧れだ。

筆者もそんな人々の中の一人。

 

上京して10年以上、1Kのアパートで一人暮らしをした。

結婚後は少し広くはなったが、やはりアパート生活。

 

実家は持ち家だったが、五人家族では狭く、プライベートのスペースをなかなか確保できなかった。

広くて綺麗な友達の家に遊びに行くと、本当に羨ましく感じた。

広々としたゆとりのある家。

そんな家のリビングで、コーヒーをすすりながら読書にふける。

狭い実家で過ごしながら、そんな生活を思い描いた。

 

そんな思いは、大人になっても変わらない。

いつか広い家に住めればいいな。

そう思いながら日々過ごしていた。

 

子供が生まれ、アパートが手狭になった。

そしてコロナ禍で、家で過ごす時間が増え、家という空間の重要性が増した。

特にテレワークの導入により、より広いスペースが必要になった。

 

今筆者は、かつて抱いた夢を叶えるために、土地探しをしている。

 

妻の希望で住宅メーカーは(ほぼ)決まっている。

そして、理想とする間取りも自分たちで考えている。

建売りではなく、好きな住宅メーカーに注文して造ることに決めた。

 

しかし、夢というのは簡単には叶わないもの。

 

筆者たちの理想が高すぎるのだろうか、なかなかいい土地が見つからない。

最近の一軒家の需要の高まりも影響しているのだろう。

いい土地は争奪戦だ。

 

夢に対して妥協してそれなりの家を建てるべきか。

頑なに理想の家を追求すべきか。

 

それで頭を悩ます日々。

 

住宅メーカーの人には、いい土地が出るのを待つのも良いが、年単位を覚悟しておいた方がよい、と言われた。

勿論、彼らは、できるだけ早く購入に結びつけたいのだろうから、そう言うのもわかる。

 

実際、土地との出会いは縁なのだろう。

結婚と同じだ。

縁があればトントンと話は進むが、縁がなければ全く気配を感じない。

 

人の力が及ばないレベルの話なのだ。

 

こういうときは、成り行きに身をまかせるに限る。

足掻こうが喚こうが、行き着くところに行く。

 

人の力ではどうしようもないものは、そうやってどんと構える。

そして、できることを一生懸命にやっていれば、大概は良い方に転んでいくものだ。

 

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