良い夫をやめる

先日、お笑いコンビ・オリエンタルラジオの中田敦彦氏の連載記事「方針変更!「良い夫」やめました」を読んだ。

筆者は、この記事にとても共感したのである。

それは、中田氏とその奥さまとの関係が筆者のそれととても似ていたからである。

 

記事の概要を簡単に説明する。

中田氏は結婚してから常にいい夫であるよう気をつけてきた。
家事、育児に積極的に参加できるよう、テレビの仕事を控えて在宅勤務を推し進めた。
仕事終わりは飲みには行かず、まっすぐ帰る。
ギャンブルもタバコもやらないし、女遊びもしない。

奥様の家事・育児への負担を考え、お使いにも行くし、子供も風呂に入れる。
彼女の要望は可能な限り叶えてきたのである。

しかし。

奥様は不満ばかり言う。
しかも不満は増して行くばかり。

挙げ句の果てに「あなたは何も変えてくれない」、「仕事ばかりして精神がおかしいんじゃないか」と言われる始末。

奥様の薦めでカウンセリングを受けた結果、中田氏に相当不満も溜まっていることがわかる。

このままではマズイと思った中田氏は、現状を打破すべく、奥様の不満を分析する。

その結果、奥様の不満は中田氏が彼女の言うことをハイハイと何でも聞いたことが原因であることがわかる。

要望を聞いてもらえることが当たり前になり、奥様は、やってもらったことではなく、できなかったことにしか目を向けなくなってしまったのである。

この現状を打破するため、中田氏が奥様と相談した結果、いい夫になるのをやめた。

在宅勤務も飲み会を断るのもやめたのだ。

 

こんな内容の記事である。

筆者も、妻に同じことを言われた経験がある。

あなたは何もしてくれない。

全否定である。

筆者自身は妻のために色々やってきたつもりである。

車の購入。送り迎え。住む場所の譲歩。

過去のエッセイでも記したとおりである。

しかしどれだけ彼女のために尽くしても、不満が一向に止まらないのである。

こんなに頑張っているのに。
ありがとうの一言もないじゃないか。

当然筆者もフラストレーションがたまる。

 

筆者は、妻の不満の原因は、親に甘やかされて育ったことだと思っていた。
親と同じように甘やかせてくれない筆者が不満なのだ、と。

しかし、それは半分当たっているが、半分外れていたのだ。

人に尽くしてもらうのが当たり前だったから、尽くしてもらえないと不満に思う。
それは事実であろう。

しかし、尽くしていても不満が消えないのである。

尽くしてもらうのが当たり前になってしまったから、その有り難さに気づかない。
むしろ、足りない部分が目につくようになって、不満がさらに溜まっていく。

これでは幸せな家庭が築けるはずがない。
どちらか一方が根をあげ、最終的には行くところまで行ってしまう。

 

中田氏は奥様と腹を割って話し合ったと言う。
離婚も視野に入れた話し合いであったそうだ。

その結果、奥様の考え方も変わってきたそうだ。

夫婦の歩む方向を転換するには、何かしらのショックが必要なのであろう。

中田氏のやり方は一種の賭けだったはずてある。
最悪の場合、離婚もあり得た。

しかし、腹を割って話し合わなければ、いつまで経っても関係改善は望めない。

それを乗り越えてこそ、夫婦の絆は強くなるのであろう。

 

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