娘を見ていると、ときどき感慨深くなることがある。
自分自身、よくここまで成長したな、と。
そう。娘の成長ではなく、自分の成長である。
小さい子供は、当然ながら、できないことが多い。
親や周りの大人のサポートで、徐々にできるようになる。
筆者の娘は人見知りがひどい。
知らない人、特に大人の男を見ると、漏れなく泣いていた。
それが、月日が経つうちに、徐々に泣くことがなくなっていった。
怖がっている様子ではあるが、感情を爆発させることはなくなった。
これは徐々に慣れてきたからだ。
そういう目線で見ると、自分自身に対して自信が持てる。
職場では、普通に会議の司会をしているし、部下もいて相談にものっている。
どちらかと言うと、頼られるほうだ。
筆者自身、子どもの頃は人見知りが激しく、コミュニケーションにも難があった。
人前で話すのが苦手で、緊張しいで、話し下手。
何もいいところがなく、親にはかなり心配された。
それが、学生、社会人と、人に甘えてられない状況をたくさん経て、社会の端っこでも生きていける人間になった。
授業で手を挙げたり、何かを発表したり、職場で皆の前で意見を求められたり、プレゼンしたり。
そういったことは、本当に嫌だった。
でもやらざるを得ない状況だったから、どうやって乗り越えたらいいかを懸命に考え、失敗して恥をかきながらチャレンジした。
そうしたら、不思議なことに、そういった状況にも段々と慣れてきて、あまりストレスもなくできるようになった。
未だに、これ嫌だなと思うイベントはある。
そういったイベントが近づいてくると、憂鬱になる。
でも逃げることはできない。
来るものは来るのだ。
だから、知恵を絞って、何度もリハーサルをして、入念に準備する。
それでも当日は緊張はするが、一度経験すると、次は幾分か楽になっていく。
そういうことを繰り返して、徐々にまた成長していくんだなぁと思う。
きっと娘も。
もう少し大人になったら、彼女にも教えてあげようと思う。