別れは突然にやってくる。
先週父が逝った。
病気を患い、症状としては末期と言われていたのだが、
家族というのは希望を持つもので、もう少し生きてくれるものと信じていた。
だから、最悪のことなど想定していなかった。
父の意識が混濁するまでは。
父の死から一週間。
まだ実感はない。
お世辞にも尊敬できる人ではなかった。
小さな頃からそう思っていた。
酒癖が悪く、いい加減な人だった。
愚痴が多く、根気もなかった。
だが父がいなければ、筆者は生まれなかった。
そして、筆者の子供も存在しなかった。
裕福ではなく、父もケチだったが、子供の教育にはお金を惜しまなかった。
今の筆者があるのは、父のおかげだ。
父には感謝の念しかない。