緊急事態宣言が出たため、いつも行っている美容室にいけなくなった。
いつも行っている美容室は、職場からは近いのだが、家からは遠い。
コロナ前は仕事終わりに寄っていたのだが、緊急事態宣言で週一での出勤になったため、美容師の予定と合わせるのが難しくなった。
それに、テレワークのしわ寄せで、出勤時は残業で忙しくなり、行く暇はない。
ということで、テレワークの日に、仕事終わりに家の近くの美容室に行くことにした。
初めての美容室。
きちんと予約をして店の中に入ると、美容師から独特の視線を受ける。
マスクもしているからだろうか。
こういう接客サービスのある店に行くと、いつも値踏みするような視線を感じるのは筆者の気のせいか。
案内されて席につき、マスクをしたままカットが始まる。
マスクをつけているから、美容師の人もコミュニケーションを取りづらいのだろうか、二人とも黙ったままカットが進む。
店内には他にも客がいて、おそらく常連客なのだろう、美容師との会話が弾んでいる。
それが余計に筆者を居心地悪くさせる。
何か話しかけた方がいいのだろうか。
いろいろ思い悩んではみたものの、そもそも感染対策として会話ってしない方がいいよね、と思い至る。
そうか、美容師さんも、そういう考えの客もいることを踏まえて、黙っているのかな、と。
結局、髪型以外の会話は全くないまま、カットは終わった。
カットの出来不出来はともかく、何か物足りない気持ちが残った。
つくづく、美容師という職業は、カットの技術だけでなく、客とのコミュニケーションも含めて「腕」なのだなぁと思った。