先日テレビを観ていて、あの明石家さんま氏に裁縫の趣味があると知った。
好きなサッカーチームのユニフォームにワッペンをつけたり、同じチームのユニフォームの新旧をくっつけてオリジナルのユニフォームを作ったりするのだという。
こう言ってはなんだが、なんでもせっかちで粗忽なイメージのあるさんま氏に、そんな繊細な趣味があることに非常に驚かされた。
最近のテレビタレントは、自分の趣味さえもビジネスにしてしまおうという血気盛んな人たちが多い。
その内容は、音楽や料理、スポーツ観戦など多岐にわたる。
また、中にはビジネス目的で始めたのではないかと疑ってしまうものもある。
これらは逞しく映る一方、ややもすると、無理に好きだと言っているように見えてしまい、視聴者側が覚めてしまう場合もある。
そもそも趣味というものは、自分が好きだからやるものであるし、ビジネス目的でやるものではない。
(もちろん、好きで続けていて、その延長線上にビジネスがある場合もあるだろう。)
さんま氏のそれは、完全なる趣味でやっているようで、とても好感が持てた。
きっとビジネスに結びつけようという考えなど微塵もないのであろう。
(お笑い界で確固たる地位を築いているのだから、そんな必要もないのだろう。
趣味はその人の心の有り様を映し出すものである。
つまり、趣味はその人の人格を反映している。
例えば、筆者はゴルフが好きである。
これは、コツコツと積み上げる性格である他、勝負ごとが好きな性格とも言える。
生花やお茶が好きなのであれば、品格を重んじる人なのだろうし、漫画やアニメが好きなのであれば、空想が得意な人なのであろう。
(その趣味にどの程度打ち込んでいるかに応じて、人格に反映される度合いも異なってくる。)
難しいのは、男装や女装の趣味がある人の性格である。
考えられるのは、自分の性別にしっくりきていないか、過剰なストレスを負っているか、今の生活が満たされていないか、である。
前者は、先天的なものであるから、仕方がない。
しかし後者二つは、人間の心の有り様というより、むしろ今の社会の有り様を反映しているのではなかろうか、と思えるのである。