通勤時間の不公平

通勤時間が長い。

これは都心部に勤める多くの方がもつ悩みであろう。
特に東京都内に勤務するビジネスパーソンは大変である。

筆者は関西の田舎出身であるが、上京して、東京の通勤ラッシュには本当に驚いた。

何より電車の本数が多い。

筆者の実家の最寄り駅では、ラッシュ時でも15分に1本である。
しかし、東京では3分に1本はやってくる。

そして、一番ショッキングだったのは、駅のホームが人で溢れ、ホームへと続く階段や、その前の改札前で足止めを食らうことである。

事故があった時ではなく、毎日の光景なのである。

結婚してから、通勤は一層大変になった。

独身時代は都内に住んでいたのだが、結婚後、近隣県の小都市に引っ越したためである。
ちなみにその市には妻の職場がある。

筆者の通勤時間は、ドアツードアで1時間20分である。

それくらい、大したことはない。

そう言う方は沢山おられるであろう。

通勤に2時間以上かかる方が大勢おられるのも知っている。

問題はそこではない。
筆者と妻の通勤時間のアンバランスが問題なのである。

筆者1時間20分。
妻10分。

仕事は筆者の方が忙しく残業時間も長い。
帰りはいつも12時近くになる。
しかも都内に向かう通勤は、前述のとおりひどく混む。

妻も時期によっては忙しいが、大方7時くらいには帰れるようである。

二人の職場の中間地で家を借りるという手もあった。
それだと、筆者の身体はだいぶ楽である。

しかし、妻が許さないのである。
実家を出たことのなかった妻が、知らない土地だと不安だと涙ながらに訴えるのである。

女性にこう言われて、その訴えを退けられる男がどこにいよう。
そんなことを言える男に、是非お目にかかってみたいものである。

喧嘩をすると、妻はよく言う。

あなたは私のために何もしてくれない。

空いた口が塞がらないのである。

そんなわけない。色々なことをやっている。
住んでいる家もその一つなのである。

最初のうちはそう反発していたが、あるとき気づくのである。

彼女は本気で言っているのではない。
感情が高ぶったために、心にポンと浮かんだ不満を言っているようだ。

新婚当初いつも抱いていた反発は、今は小さくなってきている。

筆者も大分慣れてきたのである。

慣れたといえば、長時間の通勤も慣れてきたのである。
車内で座るコツもつかめたし、本を読んだりネットを見たり、楽しく過ごしている。
改札内の人の多さにも特にストレスを感じなくなった。

逆に、郊外に住む方が家賃等が低い等メリットもあり、案外悪くないと思い始めているくらいである。

まったく、慣れとは恐ろしいものである。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。