他人の不幸にどう向き合えばいいのだろうか。
たとえば、誰かの家族が亡くなった時。
これは時間が解決してくれるからまだいい。
その人が悲しみのどん底だったとしても、時間とともに癒されていく。
難しいのは悲しみが増幅していくケースだ。
たとえば、病気。
治らない病気を患い、時間経過とともに悪化していく場合。
着実に死に向かっている本人に、なんと声をかけたらよいのだろう。
病気を打ち明けてくれたということは、何かしら、自分自身を信用しているということだ。
その相手に対して、何もできないことは本当にもどかしい。
悩んでも仕方ないじゃないか、前を向こう、などと気軽に言えるはずもない。
相手に対して何もできなくて、ただこちらの気分も沈んでいく。
できるのは、一時でも病気のことを忘れさせてあげることくらい。
楽しい話でもすればいいのだろう。
できるのはせいぜいそれくらい。
悲しみは他人と分け合えるという。
けれど、分け合うのが難しい悲しみもある。
死に向かっていく恐怖というのは、当人にしか本当のところを理解できないだろう。
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他人のことで落ち込んでしまう、生真面目な自分が情けない。