車を購入して、もう6年になる。
購入したのは、結婚して郊外に引っ越したからだ。
それまでは東京暮らしで、必要に応じてレンタカーを借りていた。
一年に一度、運転すればいいくらいのペースだった。
元々運転は好きではなかったが、妻の希望もあって出かける時のドライバーは筆者となった。
(妻は毎日通勤で運転していたにもかかわらず・・)
怖くて仕方なかったが、運転を重ねるうちに少しずつ慣れていった。
いつしか、運転に対する不安は消えていった。
しかし先日、久しぶりに運転で恐怖を感じた。
夏休みの終わり、子供を連れて都内へ行った。
品川にある水族館だ。
旅行にも行けなかったので、それが唯一の遠出だった。
筆者の住んでいる地域から水族館まで、高速を使って一時間半もかからないくらい。
運転慣れした筆者には楽勝のはずだった。
しかし、とてつもなく苦労した。
まるで別次元を運転する感覚だった。
日頃から東京の街を運転する人なら分かるだろう。
そう、首都高である。
地方へ行く場合、高速など、一度乗ってしまえば、10キロ以上は道なりに進む。
その間、次の出口をナビで確認しておけばよい。
しかし首都高は違う。
高速の出口や、他の支線へつながる連絡路が数100メートル間隔くらいで訪れるのだ。
ある道へ入って、100メートルほど進んで別の脇道に入ることもある。
反応できないスピード感。
ナビを使っていたのに、何度も間違えた。
あれほど複雑な道をよく作ったものだと思う。
運転中、全く気が抜けなかった。
と、同時に、筆者の運転技術もまだまだだな、と感じた。
あの世界を悠々と運転できるようになって初めて一人前のドライバーと言えるのだろう。
帰宅したときにはどっと疲れていた。
正直、もう二度と首都高は乗りたくないと感じた。
慣れれば快適なのかもしれない。
しかし、郊外暮らしを決めた筆者には、あまり関わりたくない世界だった。
東京では交通機関での移動に限る。