謎の痒み

朝方起きた時、強烈な痒みを感じた。

場所は下腹部のあたり。前と後ろ両方だ。

下着をずらして驚いた。

下着のシルエットに沿うように、皮膚が真っ赤になっているではないか。

下着の下に、赤い下着を履いているかのよう。

よく見ると、皮膚がミミズ腫れのようになっている。

慌てて、鏡の前で全身を確認してみる。

お腹、背中、太ももにもミミズ腫れが。

幸い、顔には出ていないので、服を着ればいつもと変わらない。

病院に行きたいが、休めないので、いつも通り出勤した。

痒みを我慢しつつ、仕事に打ち込む。

すると、嘘のように痒みは引いていった。

びっくりしてトイレで確認してみる。

何の痕もない。いつもどおりの皮膚だ。

きつねにつままれたような感覚とはこのことだ。

安心して仕事をして、夜に帰った。

しかし何だか嫌な感じがする。また痒くなってきたのだ。

風呂から出ると、朝よりも広範囲のミミズ腫れが。

急いでネットを調べる。

どうやら蕁麻疹らしい。アレルギーの一種のようだ。

副交感神経が優位になる夜に発生することが多いらしい。

夜喘息がひどくなるのと同じメカニズムらしいが、なぜ急に出たのは分からない。

保湿クリームを塗り、患部を冷やすといい、との記事があったので、

それに従ったら、少しマシになった。

が、その日はあまり眠れなかった。

朝起きると、まだ痒みが残っている。

相変わらず医者にはいけないが、仕事中は嘘のように痒みはなくなる。

週末、ようやく医者に行った。

しかし、そんなときに限ってまったく症状が出ない。

ツルッツルの身体だ。

医者も薄い反応。

頑張って症状を訴えるも、説得力がない。

とりあえず、ということで、かゆみ止めの薬を処方してもらい帰ってきた。

原因が分からないし、また再発する可能性もある。

痒みで眠れなくなるくらいの症状だ。

本当に、二度と勘弁してほしい。

しかし、医者に見せる、という大事なときに限って、症状がでないのはなぜなのだろう。

これも本番に弱い、というやつなのだろうか。

情けない。

 

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