組織に属する者の宿命、人事異動。
逆らうことのできない命令。
納得いかなければ、組織から抜けるしかない。
もちろん、事前に部署の希望は聞かれる。
しかし、一体、どれくらいの人が、希望通りの部署に行けるのだろうか。
人事は、組織と社員がwin-winの関係でなければならないだろう。
社員だけがwinの人事など、まずあり得ないだろうが、組織だけがwinの人事は山のようにある。
筆者の感覚だと、それが普通ではないかとも思う。
筆者も、ずっとloseの人事を喰らってきた。
希望は一度も聞き入れてもらったことがない。
望まない部署に配属される度に、歯を食いしばりながら、頑張って働いた。
その部署での働きは評価もされた。
良い結果を残せば、「頑張ったから」ということで、次は希望の部署で働かせてもらえると思ってきた。
しかし、全然違った。
頑張れば頑張るほど、希望の部署から遠ざかっていく。
どういうことか。
希望しない部署にいたときの上司は、向いているから、という理由で、
同じような仕事内容の部署を転々としているものである。
そういう上司は、配下の人材を人事部に要求するとき、働きぶりの計算できる人物を要求する。
特に、現人材がいまひとつの場合、人事担当には、
「○○(筆者の名前)じゃないと、業務が回らない」
などと人事担当を半ば脅して、属人的な人事を通そうとする。
その結果、またもや望んでいない異動が発生する。
筆者は、そんな異動を何度も経験した。
結果、
仕事の幅が広がらない。
モチベーションが上がらない。
などという弊害が生じる。
これは社員はもちろん、組織にとっても不利益のはずである。
もしかしたら、もっと向いている職種があるかもしれないし、その方面で組織に多大な利益をもたらすかもしれない。
一見、円滑に部署を回すのに良さそうにも見える安易な人事も、離職や生産性の低下などのリスクも孕んでいる。
新しい血を積極的に入れるのは、組織にとって大事なことである。
人事担当者はよく考えたほうがよい。